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さらば、びりたん

伊賀有機農産の主力生産者であったびりたん農場が、伊賀の地を離れて、半年が経ちました。

初めて「離農するかも」と、いつもの冗談ともつかない頼りなげな口調で高木さんに告げられたのが去年の7月30日。路上での会話の中でした。
8月1日に飲みに誘った夜には、すでに腹は決まっているようでした。
それから高木家の中では話が一気に進んだようで、8月13日には秋からの出荷停止が決まり、8月中に早くも諸々の引き継ぎが始まっていました。
9月になって高木さんが皆の前に姿を現した時には既に10月10日の引っ越しが決まっていて。。
地場の皆さんに正式にご連絡できたのは9月末だったでしょうか。
それより遠方の皆さんには、ご挨拶もできない性急さでした。
研修2年、就農5年。
積み上げた伊賀での日々が、あっという間に終わっていました。

このタイトルの記事を書こうとして、びりたんの言葉が先に出るのを待っている間に時間が経っていました。
伊賀有機ブログと、びりたんブログが昨年末に更新されるまで、本人も言葉をひねり出すのに苦労したようでした。


離農に至った理由は、いろいろあると思います。
しかしさいごは、心がポキンと音を立てて折れたときに、決まるようです。
ボクが伊賀に来たときに、入れ替わるようにこの地を去った依田くんも、そのように見えました。

就農とは、起業。
酷薄な現実を、身にしみて実感しました。
簡単じゃないなあ、農業。

数年前にブームらしきものがやってきた農業界。
以前ほど「就農」ということが奇異の目で見られなくなりました。
農業生産法人も増え、起業ではなく就職という選択肢が増えたことで、農業を仕事とすることが現実的になってきたかもしれません。
それでも、やめていく人はひっそりと、しかしかなりの数にのぼるようです。

現実はそうだとしても、伊賀有機農産というグループがありながら、貴重な人材をつなぎ止められなかった。
反省は尽きません。
生産者のみならず、我々を支える気持ちでいてくださる受け手の皆さんにも、衝撃が大きかったようです。


びりたん農場は、とりわけこだわりの強い農法を採っていました。
でも生産効率は悪く、もっと高価格で売ることを考えなければいけなかったけど、そうはしなかった。
農法と価格。こだわりの両立は難しく、優先順位を付けるのが経営者、といえばそれまでですが。

びりたん農場がいなくなり、伊賀有機農産はすこし質が変わりました。
組織はひとでできているんだなあ、と実感します。
誰が抜けても組織は続かなければいけない。あいた穴は埋めなければならない。
それでも、ひとが変われば、ちょっとずつ質が変わっていきます。
ときどき、ぽっかりあいたその穴を、感じます。

あれから、伊賀有機農産にはいつの間にか新しいメンバーが加わり、4月のはじめに開いた今シーズンの決起集会(?)には、これまでで最高の人数が集まりました。
新たな出会いが、組織を動かしていくことと思います。


新たなシーズンが始まるこの時期に、あえて、「さらば、びりたん」、と書きました。
でもきっといつかひょっこり戻ってくるんじゃないかなー、と、みんな思っています。

ぐぅ



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残念

こんにちは。
高木さんの作る野菜は美味しかったので残念です。
所で高木さんは何処にいらしゃるのですか?

Re: 残念

> こんにちは。
> 高木さんの作る野菜は美味しかったので残念です。
> 所で高木さんは何処にいらしゃるのですか?

数ヶ月ブログを見ておらず、コメントに気が付きませんでした。
失礼しました。
びりたん農場は、奥様のご実家に近い大阪に移られましたよ。
生活クラブさんの野菜パックを取って、ボクらの野菜を食べては、時々甘口辛口コメントを下さいます。
離れても変わらぬ支援を頂けるのは、頼もしい限りです。
プロフィール

ぐぅ&トミー

Author:ぐぅ&トミー
38歳♂・31歳♀・7歳犬。
有機農家になりたくて、伊賀に流れ着きました。
生かされている生活から、活きる暮らしを目指して。
多くの人を巻き込みながら。地道に。夢は大きく。
日々の作業や、想いをつづります。

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