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にわとりを屠るということ

1年半ほど前から、ニワトリを飼い始めました。

きっかけは、伊賀有機農産代表のヤセガエルさんが、1300羽ほど飼っていたニワトリを辞めると言い出したからで、かねてから動物を飼いたがっていた嫁さん・トミーはすぐに手を挙げました。

風の木農場が引き継ぐことにしたのは、卵の配達を途切れさせないようにする意味もありますが、ニワトリを飼う技術を伝承したいという思いもあります。
それに、ヤセガエルさんの師匠である久門さんが、「有機農業」という言葉すら出てくる前から提唱していた「循環農法」のなかで、クズ野菜をニワトリにやり、鶏糞を畑に返す、という循環の要としてニワトリを飼っていて、そもそも昔はどの農家もニワトリを当たり前に飼っていたという歴史があります。
(もっと言うと、その昔は有機野菜は作ることも売ることも手さぐりで、暮らしていくにはかなり厳しく、計算のできるニワトリの卵で生計をたてる有機農家が主流だった、ということもあります。。)

とにもかくにも、100羽のニワトリが、我が家にやってきました。


この鳥たち、愛玩動物ではないので、ちゃんとエサ代の元を取ってくれなくては困ります。
エサも、鳥の成育段階に従って、あれやこれやを配合して、元気に美味しい卵を産んでもらえるようにします。

ニワトリは、普通に飼えば、8年くらいは卵を産み続け、15年くらいは生きられるそうです。

しかし養鶏の世界では、1年を過ぎたら産卵率とエサ効率の関係から、経済性が劣るため、殺してしまいます。
これを、廃鶏と言います。
ちなみに、一般で飼われている卵でなく鶏肉用のブロイラーという品種は、通常5ヶ月で大人になるニワトリを2ヶ月で大人になるように品種改良したものであり、生まれて2ヶ月後には、殺されてしまいます。

たまご用に飼っているニワトリだって、いつかは殺されてしまう運命にあります。
昨年春に我が家にやってきた鳥たちも、がんばって一年引き延ばして、来年春、廃鶏を迎えます。


ボクは、肉を食べます。
少なくとも、これまで肉を食べて育ってきた。
肉を食べるには、殺さなければなりません。
野菜を切るよりも、ずっとリアルに。

だから、どうしても動物を飼い、「屠る」ことを自分でやりたかった。
それが、風の木農場がニワトリを飼うことにした最大の理由です。

もしも自分で殺すことができない人は、肉をたべてはいけない。
卵も牛乳も。
誰かにイヤなことを押しつけてはいけない。
そう思います。


昨年11月の収穫祭と、この3月の春祭りで、ベテラン農家をお招きし、ニワトリの解体を教えてもらいました。
初めに、羽根を掴み、首を指で押さえて、包丁でスッと切ります。
うまく殺してあげないと、鳥は苦しみます。
小刻みに震える手で、なんとか包丁を通します。

血を抜き、お湯につけて羽根をむしってしまえば、もう生きものではなくお肉に見えてきます。

これを可哀相と思っても、当たり前と思ってもいけないと思います。
ありがたく、頂戴する。
これが、食べるということ、生きるということの本質だから。


にわとりを屠るということには、いろんな意味が詰まっている。
だから、ぜひみんなに体験してもらいたいと思います。

ぐぅ
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言葉にならないこと

スタジオジブリの宮崎駿監督が引退を表明されましたね。

宮崎監督は映画の意味なんか説明できないという。
言葉にならない、と。
あんなに雄弁に思える「風の谷のナウシカ」や、「もののけ姫」でさえ。

学校の国語の授業で「この作者が言いたいことは次のうちどれでしょう?」という問題があるでしょう?
ボクは、「これが言いたいのなら、長々とした文章や物語なんか書かずに、そのものズバッとという書けばいいのに。」と思ったものです。
でも、途中で気付く。
このひとは、物語にしなきゃ伝えられないものを伝えたいんじゃないか、と。

伊賀有機の親分・ヤセガエルさんは、頭デッカチに言葉で戦う学生運動の季節を生き抜き、身体で感じる有機農業の世界に身を投じた、という話をしてくれたことがあります。
ヤセガエルさんは、手袋をしません。するのは、爪が当たって表皮に傷をつける恐れのあるニンジンを触るときだけ。それは、手で土や野菜を感じるため、と言います。

篤農家のひとは、野菜や土の「気持ち」を読むといいます。
そこには、深い知識が裏付けられていることが多いのですが、それでも最後は勘や肌感覚を頼ります。
データや知識は、感覚を裏付けるものにすぎない、と思うことがあります。
感覚で動けるひとは、判断がはやい。


その、言葉にできない宮崎監督が、最後に言い残したのが、
「子供たちに、この世は生きるに値するんだと、伝えたい」
ということでした。
伊賀有機農産の主張と、ふしぎに一致します。

多くの絶望を繰り返し、それでも最後は希望を託したい、ということでしょうか。

ボクは子供が苦手です。
言葉が通じないから。
だから、言葉で考えを通わせることのできる大人向けの交流に積極的に参加してしまいます。

でもたしかに、自分の経験でいうと、25歳も過ぎれば考えの骨格みたいなものができてしまって、揺るがすのが凄く難しくなる。
なんというか、いろんな情報や考え方が入ってきても、分類する軸が勝手に出来上がってしまっていて、新鮮なまま捕らえることができない、というか。。。
無意識のうちに、言葉にしてしまっている、んでしょうか。


せっかく農業やってるのに、言葉にならないもの、に、まだまだ近づけていないようだ。

ぐぅ

9月のおしごと

今年の9月は。

第一週:急な腰痛で整骨院に駆け込む。あとの作業はトミーと秋さんと紀ちゃん任せ。
第二週:とりあえずできる作業を…、堆肥をまく。
第三週:日曜に台風18号が直撃で、畑グズグズ。飛ばされた資材を片付ける。
第四週:9月末で畑の水道が止まるので…。せっせと種蒔き&定植&水撒き。

てな感じでした。

なにしろ、腰痛と台風に段取りをかき回されました。
下記は、理想的な9月の作業です。。。


【9月】

①苗を植えます。

秋冬作にとって、9月は致命的に重要です。
ほとんどの野菜が10月が終われば、生育がグッと遅くなります。
秋から冬にかけての野菜を作ろうと思ったら、9月10月に大きくすること必要があり、9月の内にどれだけ作付けられるかが勝負の分かれ目になります。

我が農場でいうと、レタス・キャベツ、そして今年から挑戦したブロッコリーを、9月中に植えきることが最優先作業になります。
これら”結球”野菜は、玉になってからの霜に弱い。霜が強くなる前に玉にして出荷してしまうか、玉になる手前で真冬を迎え、春先になってから玉を作らせて出荷するか、のどちからになるので、タイミングの見極めが重要です。

で、予定通り植えられるかどうかは、先月書いた暑い時期の苗作り(8月)と、台風などの雨をかわしながらのコンスタントな畑づくり(8~9月)にかかってきます。
そして、一瞬で植えきる定植技術。

特に今年は、苗の出来に苦労しましたが、例年以上にコオロギ被害が甚大でした。

コオロギ。

長野での研修時代は、害虫であることすら知らなかったコオロギ。
コイツ等は、特にキャベツやブロッコリーといった首長の苗をチョキチョキ切るのが大好き。

ちびきゃべつ

長野などの産地ではこーんなチビ苗お植えるのが基本ですが、これらはコオロギの大好物。
特に彼らは土の「物陰」に潜むので、我が家のようなゴリゴリの土の塊が沢山ある畑や、マルチなどの資材がある畑は絶好の住処となり、キャベツを植えた瞬間に襲いかかります。
下手をすると、ひと畝植え終わって振り返ったときにすでに喰われていたりします。
(ちなみに上の写真は就農初年のキャベツ。この一畝一条は産地の手法ですが、伊賀では畝が低すぎて根っこに水がついてアウト。さらに土が堅いので畝間を管理機で走っての除草が不可能で、草まみれになってツーアウト。今は大きな畝にマルチを張っての二条植えですが、マルチはコオロギを呼ぶので、まだまだ未完です。。)

そこで、有機農家さんの中には、下のようにデカ苗を植える方がいるんですね。

006.jpg

これ、伊賀での就農前に見学に行かせて頂いた埼玉の農家さんのキャベツ。
「なあんだ、あんなデカイ苗植えて、産地を知らないなあ。」なんて、長野から来たボクは内心思っていたような気がしますが、いまにして思うと、これが無農薬では一番いい方法かもしれない。
最近デカ苗を植えるひとが近所にいて、ハッと気付いた方法ですが、実は4年前のあのときすでに見ていたんだと思いだしました。
あー、人間、見たいものしか視界に入っていないんだなあ、と思いいたる。


②種を蒔きはじめます。

葉物(大阪シロナ・ホウレン草・チンゲン菜・コカブなど)の種蒔きは、9月の間は、最初は7日ごと、最後は5日ごとになります。
これは、播種1回分で1週間収穫する分と考えて、これを途切れなく計画出荷していくための方法です。
最初の頃は、1週間遅れてに播いたものが、ちゃんと1週間遅れて仕上がってくるんですが、だんだん寒くなると生育が遅くなるので、間隔を狭く播いても、仕上がりが1週間ずれてくるんですね。
9月の間は最後は5日置き。
10月になると3日置きになり、最後は2~3週間分を一遍に播きます。

たとえばホウレン草だったら、
9月上旬播き → 10月後半収穫
9月下旬播き → 11月収穫
10月上旬播き → 12・1月収穫
10月下旬播き → 1・2月収穫
てな具合。

緻密な計画ではありますが、台風などの大雨に当たれば、まったく予定どおりできません。
そのための秘密兵器が、太陽熱マルチ(「8月のおしごと」参照)。
これを張っておくと、雨でも安心。
播きたいときに、さっと剥がして、種を蒔くだけの優れ物!!

と言いたいところですが、台風で太陽熱マルチも吹っ飛ばされることが多く、なかなかどうして、人間の思い通りにはいきません。。。


③堆肥を撒きます。

このクソ忙しいときに堆肥撒き??とよく言われます。
堆肥を肥料として使うなら、も少し早目にまいて畑に馴染ますのが常道。
秋に必死でマニュアスプレッダーで堆肥を撒きまくっているのはボクぐらいかもしれません。

マニュアス


これは、我が家が「モミガラ」を多用するため。
伊賀は8月下旬から稲刈りが始まり、9月はモミガラが大量に手に入ります。

「モミガラ」は、安く大量に手に入る炭素率の高い非常に優良な有機物資材。

西出師匠の指導では、有機物はCN比15~20のものを畑に直接投入して、畑中で発酵させて微生物を増やせば、堆肥場や撹拌などという無駄な労力がいらない、とされています。
特に我らのような粘土の畑では、軽くて通気性を高めるモミガラは最適。

これまではモミガラが欲しくても、忙しくてどうしても年末以降に持ち越しになっていたのですが、今年からは心を入れ替えて、9月からせっせと撒きました。
堆肥にモミガラを混ぜて下さるありがたい業者さんや、稲刈りしたモミを直接畑に置いていってくださるありがたい農家さんの助けを借り、ひたすら撒く。撒く。

その成果は。。。まだ分かりませんが、昨冬せっせとモミガラを撒いた畑は、この秋上々の仕上がりとなっています。いまから来年が楽しみです!

ぐぅ。

プロフィール

ぐぅ&トミー

Author:ぐぅ&トミー
38歳♂・31歳♀・7歳犬。
有機農家になりたくて、伊賀に流れ着きました。
生かされている生活から、活きる暮らしを目指して。
多くの人を巻き込みながら。地道に。夢は大きく。
日々の作業や、想いをつづります。

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