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4月のおしごと

今年は、さむい2月、暖かすぎる3月、そしてさむいさむい4月。
さて、5月はどうなる!??


【4月】

①収穫

待ちに待った収穫が始まります。

3月は端境期と言って、秋蒔きの野菜が出尽くし、春蒔きの野菜がまだ大きくなりきっていない、出荷できる野菜を露地でつくるにはとても難しい時期になります。
一方で、畑では春~夏作の準備が進んでいて、肥料とかマルチとか、野菜に掛ける不織布・虫除けネット、夏野菜を立てる支柱やネットなどなど、元手が多くかかる時期。
すなわち、農家が一番ビンボーになる時期です。
一刻もはやい収穫物を待ち望み、ようやく仕上がってきた野菜を見る喜び。
ひとしおです。

ところが、種まき時に寒さにあたった野菜は、「トウ立ち」しやすくなっています。
「トウ立ち」とは、葉物の芯の部分がグググッと伸びて、さいごに花開くこと。

花5(シロナの中心からニョキニョキと。。)

キャベツトウ立ち(キャベツは玉を貫いてズバっと。)


冬(寒さ)を感じたあとに、春だ!(気温上昇)と気付かせてしまったら、もう野菜は花モードです。
出荷できるサイズまで大きくなるのが早いか、トウ立ちが早いか。
ベストにして一瞬のタイミングで収穫することが求められます。

しかしながら、気温が不安定なこの時期、野菜は一気に大きくなったかと思えば、急に立ち止まったりで、出荷予定日を見込むのが、とてもとても難しい!!
(収穫したい!と言ってその日に出せるわけではなく、10日ほど前から出荷予定を組んで出していきます。契約栽培の難しいところです。)

ちなみに就農一年目と二年目は、気付いたときには野菜はトウ立ちもしくはデカくなりすぎて、多くを無駄にしました。
気合いの入った三年目は逆に先走りすぎて、小さいまま収穫してしまい、切っても切っても重さが足りず、これまた収量が台無し。
今年ははじめて、良いスタートが切れましたよ!


②草取り

野菜ができるということは、草も伸びるということ。
トウ立ちとともに、雑草とも競争することになります。

とりわけ草に負けやすいのが、ニンジン。
成育が遅く、ほっそりとした草姿のため、雑草の勢いに押され気味。
早目に草取りできるかが、生死を分けます。

人参はっぱ(草に食われつつあるニンジンの芽)


風の木農場の場合、2年目からはもっぱら「のらすけ※」ママさん達がニンジンを救出してくれるようになりました。
(※のらすけさんについては、過去ブログ参照ください~)
おかげさまで、年々ニンジンの作付けを増やしています。


それから、土手草刈り。

これ、じつはとっても大事な仕事です。
なにしろ、まわりの農家は土手草を見ています。
ここをキレイにしているかどうかで、その百姓の評価が決まると言ってもいい。
キレイに刈っていれば、がんばってるな、ということで、仲良くできたり、果ては新たな畑を貸してくれたり。
一方、うっかり伸び放題にしてしまうと、評判はガタ落ちです。

特に伊賀は田んぼの方々が、土手をとってもキレイに刈っています。
(芝生の庭園か!とツッコミたくなるほど。)
GWの収穫を前に、みなが土手を刈りだすこの時期、率先してウチの周りもキレイにせねばなりません。
このくそ忙しいときに。。。と思ってはいけない。
一番大事な仕事です。

だからウチは、まず、大きな道路際の目立つ畑から刈る。
次に、地主さんがよくやってくる畑を刈る。
さいごに、目立たない畑を刈る。
これ、新規就農者の最重要心得と言ってもいいと思います。

まずは見た目。
これです。



③果菜の畑づくり

育苗ハウスでは、種まきが終わりに近づきました。
5月からの定植にそなえて、果菜類の苗を大きめのポットに移したり(=鉢上げ)、春の収穫の矢先ですが、夏の準備がいよいよはじまります。

ようやく乾き始めた畑の隙をみて、施肥・畝立て・マルチ張りをします。

風の木農場は基本的に「追肥」というものをしません。
それは師匠の教え(気付いたときには追肥なんてもう遅い。急ぐときは葉面散布。基本的には元肥一発!)によるところもありますが、うちの農場は「追肥」と「草取り」を極力しない、という方針で、作業効率をあげています。
だからといって成育期間の長い果菜に肥料がいらないわけではないので、元の畝を立てるときに、畝の下に溝を掘り、根っこが伸びた頃に利くように肥料を仕込んでおきます。
これを、「待ち肥」といいます。

ずっとやりたかった「待ち肥」、昨年ようやく作業に余裕が出来てきたのでチャレンジしたところ、結果がすこぶる良く、今年も本格的に導入しました。

まず、溝をほり。

冬の間に仕込んだボカシ肥を入れ。

その真上に畝を立て。

マルチを張ります。

これ、結構手間ですが、ナスとピーマンの準備オッケー。
来週にはキュウリの準備にも入ります。


③ひとが続々

このブログの最初の記事にも書きましたが、農に関心があるひとが、少しでもこの世界に足を踏みいれられるように、敷居を下げるようなお手伝いをしたい、という気持ちで書き続けています。

2年目には、研修生とのらすけさん達を迎えることができました。
そして4年目の今年は、偶然の出会いもあり、さらに一歩進んでバイトさんをお迎えしました。

2月からひとり。4月からさらにひとり。
のらすけさん達も、増え続けています。

ひとが増えるたびに、仕事の段取りが変わっていきます。
今月は、その工夫で試行錯誤しているうちに、過ぎて行きました。


いちばん気をつけているのは、ここにやってくるひとは、それぞれに目的がちがうということ。
だから、それぞれの目的が達成できるような仕事にしてあげなくてはなりません。
それぞれがやりたいようにやり、その中で仕事として成り立っていく。
たのしくてやりがいを感じていくれているひとと一緒に働くことほど、充実した暮らしはありません。

もちろん、ひとが増えた分自分の仕事を減らしていては、経営が成り立たちません。
かならずしも、労力が増えたら生産量も増える、とは限らない。

だからウチでは、予定数の1.5倍くらいの作付けをしてきました。
当然、仕事が間に合わないから、0.5倍分は台無しになります。
それでも、1.5倍分の作業スピードには慣れました。
なにより、労力さえあれば1.5倍にできるという自信があった。
だから、新たなひとを入れることに、あまりためらいはありませんでした。


農に志しを持つひとを一人でも多く取り込みたい。

そしてきっとひとのチカラで、風の木農場も育っていきます。


ぐぅ
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夢を喰うバク

われらが伊賀有機農産・代表のヤセガエルさんは、「おまえは夢を喰うバクだ」と言われていたそうです。
真意のほどは定かではありませんが、なるほどなぁ、と思いました。

ボクは、あんまり今を楽しめないタイプのようです。
でも、未来は楽しめる。
未来を楽しみに、今を生きられる。
しかもむかしに比べれば、そんな今をちょっとは楽しめるようにもなりました。

未来を食べて、生きている。
だから、年を経て自分の可能性の射程が少しずつ狭まってきたな、と感じたりすると、生き苦しくなります。
食べる未来が不足しないように、いつも変化を求めて生きています。


ヤセガエルさんはときどき、もう絶望や、とつぶやいたりします。
地球の汚染が深い海まで広がっていることを聞いたとき、もうどうしようもないと思ったそうです。
それでもすぐに、ガハハっと、今を笑い飛ばしてくれます。

ウチの嫁さんは、今を生きています。
今を存分に楽しめるし、あんまり未来はいらないようです。
同じことの繰り返しのような農作業のなかにも、楽しみを見つけ、草取りの手をとめて虫をジッと眺めてたりします。
すごい才能だと感心します。
あまり進歩とか積み重ねとかに興味がないのが玉にキズですが。


農業の世界には、ときどき、世間に背を向けたようなひとが訪ねてきます。
希望と絶望を行ったり来たりしているような、ちょっと引きこもりがちなひとも多くいます。
いつも伝えるのは、「イヤなら死んじゃえばいい」ということです。
今のところ日本の社会は、引きこもっていても生きていけてしまいます。不幸なことに。
でも世界の多くのひとは、生きる気力を失ったら死んでしまいます。
それに、生きたくないひとは生きていなくてもいいほど、世界には人間が溢れています。
自然の世界はもっと過酷です。
虫は日々ボクの手で握りつぶされ、葉物野菜は子孫を残す前に刈り取られ。
野犬もキツネもしょっちゅう轢き殺されているし、モグラはトラクターで耕耘されてしまいます。
ニワトリ小屋には獣が入り、9羽が喰われました。
簡単に生まれ、簡単に死ぬ。
だから、生きたいひとだけ生きればいいんだ、と思うようになりました。

ボクはあんまり自分で楽しみを見出すチカラがありません。
いい意味での欲が足りません。
だから、他人の喜びに乗っかろうとします。
国際協力を生業としたいと思ったのは、まさにそうした動機です。
最近では、未来の楽しみになんとかぶら下がっています。
夢を喰うバクです。

baku.jpgバクのイメージ図


人間以外の生きものは、生きる目的なんていらないから。
生きるために生きている。
なんてシンプル。

ぐぅ

さらば、びりたん

伊賀有機農産の主力生産者であったびりたん農場が、伊賀の地を離れて、半年が経ちました。

初めて「離農するかも」と、いつもの冗談ともつかない頼りなげな口調で高木さんに告げられたのが去年の7月30日。路上での会話の中でした。
8月1日に飲みに誘った夜には、すでに腹は決まっているようでした。
それから高木家の中では話が一気に進んだようで、8月13日には秋からの出荷停止が決まり、8月中に早くも諸々の引き継ぎが始まっていました。
9月になって高木さんが皆の前に姿を現した時には既に10月10日の引っ越しが決まっていて。。
地場の皆さんに正式にご連絡できたのは9月末だったでしょうか。
それより遠方の皆さんには、ご挨拶もできない性急さでした。
研修2年、就農5年。
積み上げた伊賀での日々が、あっという間に終わっていました。

このタイトルの記事を書こうとして、びりたんの言葉が先に出るのを待っている間に時間が経っていました。
伊賀有機ブログと、びりたんブログが昨年末に更新されるまで、本人も言葉をひねり出すのに苦労したようでした。


離農に至った理由は、いろいろあると思います。
しかしさいごは、心がポキンと音を立てて折れたときに、決まるようです。
ボクが伊賀に来たときに、入れ替わるようにこの地を去った依田くんも、そのように見えました。

就農とは、起業。
酷薄な現実を、身にしみて実感しました。
簡単じゃないなあ、農業。

数年前にブームらしきものがやってきた農業界。
以前ほど「就農」ということが奇異の目で見られなくなりました。
農業生産法人も増え、起業ではなく就職という選択肢が増えたことで、農業を仕事とすることが現実的になってきたかもしれません。
それでも、やめていく人はひっそりと、しかしかなりの数にのぼるようです。

現実はそうだとしても、伊賀有機農産というグループがありながら、貴重な人材をつなぎ止められなかった。
反省は尽きません。
生産者のみならず、我々を支える気持ちでいてくださる受け手の皆さんにも、衝撃が大きかったようです。


びりたん農場は、とりわけこだわりの強い農法を採っていました。
でも生産効率は悪く、もっと高価格で売ることを考えなければいけなかったけど、そうはしなかった。
農法と価格。こだわりの両立は難しく、優先順位を付けるのが経営者、といえばそれまでですが。

びりたん農場がいなくなり、伊賀有機農産はすこし質が変わりました。
組織はひとでできているんだなあ、と実感します。
誰が抜けても組織は続かなければいけない。あいた穴は埋めなければならない。
それでも、ひとが変われば、ちょっとずつ質が変わっていきます。
ときどき、ぽっかりあいたその穴を、感じます。

あれから、伊賀有機農産にはいつの間にか新しいメンバーが加わり、4月のはじめに開いた今シーズンの決起集会(?)には、これまでで最高の人数が集まりました。
新たな出会いが、組織を動かしていくことと思います。


新たなシーズンが始まるこの時期に、あえて、「さらば、びりたん」、と書きました。
でもきっといつかひょっこり戻ってくるんじゃないかなー、と、みんな思っています。

ぐぅ



プロフィール

ぐぅ&トミー

Author:ぐぅ&トミー
38歳♂・31歳♀・7歳犬。
有機農家になりたくて、伊賀に流れ着きました。
生かされている生活から、活きる暮らしを目指して。
多くの人を巻き込みながら。地道に。夢は大きく。
日々の作業や、想いをつづります。

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