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農家巡りにいってきました。

静岡→群馬→千葉の農家めぐりに行ってきました。

そもそもは伊賀有機農業推進協議会(→http://www.iyuukyo.jp/、僕も理事をやらせてもらっています。伊賀有機農産も会員です。)の先進農家見学会で、千葉に行くのが目的でした。
便乗して、かつての研修先、長野県トップリバーの仲間で、すでに独立している農家2軒を訪ねてきました。

ときに、伊賀の外に出るのは、大事ですね。
目が開かれます。

まず関東に出て、ため息が漏れるのは、その土。
世界に冠たる、関東ローム層。
偉大です。
フカフカ、水はけ、肥料持ち抜群。
勝負にならないなあ、と、またため息。

千葉1

目の前には大消費地の東京。
楽だなあ。。

でも話を聞いてみると、その分だけ競争は熾烈なようで。
それなりの苦労はあるようです。
ひたすら大規模化していくのも、ひとつの道。
極めていくと、たくさんの従業員を雇って、売上数億、なんて農家もいるんですね。
ただもちろんそういう人たちは伊達に大きくなったわけじゃない。
仕組みの作り方、熱心な技術研究など学ぶことは多い。


刺激はたくさんありましたが、特に思ったことを2、3。

1.原発の風評被害

千葉でも原発の影響は大きく、売上が半減したという方も。
改めてその被害の甚大さを思い知らされる。
ここで「風評」被害というとき、ホントは問題ないのに、悪い噂だけが先走って被害を負うことを言う。
ならばホントに、「風評」なのか?と考える。
数値を測定することはできる。でも、それを正しく判断できないのが、恐ろしいところなのではないか。

科学的には、これくらい浴びたらこれくらいの確率でこういうことが起こる、ということが分かっている。
現時点での研究成果からすると、千葉の野菜を食べない、というのはナンセンスだ。
たとえば、基準値以上のものを一年蓄積して、ガンになる確率が0.5%上がる。それ以下の摂取ではどうなるかわからない。そんな量の放射能を、忌み嫌って必死に避けるべきなのか。

ただ、科学的には分かっている、というか、それしか分かってない、ともいえる。
実験といったって、所詮ネズミの話だし、長い時間の審判も受けていない。安全といわれて使用され、後に危険といわれて消えていった農薬がどれだけあることか。。
世の中実は、わからないことだらけだ。
ボクラには、たくさんの「わからないこと」を受け入れ、それでも現時点で判断する覚悟が求められている。

だから一方で、可能ならば放射能ゼロの方がいい。もしそれを選べる立場にいる者がいるなら、揺れるのは仕方ないとは思う。唯一無二の我が子だけでも守りたい、という想いがあれば、なおのこと。

でもはたしてボクらは汚染から逃げ切ることができるのだろうか。
そんなものより即効性のある物質やら微生物やらが、大気にも水にも土にも、すでにたくさんまき散らされている。
我々は無菌室に生きているわけではない。いろんな微生物や物質に接し、体を変えながら生きている。長い目でみると何が起きるか、実はだれにもわからない。絶対安全、なんてない。
僕は農薬は毒だ、とは言わない。でも、毒かもしれないから、使わないで済むなら、使わないでいままで長いこと農業が続いてきたのだから、使わないでいいのではないか、と思う。そういう想いで、有機農業をやっている。
放射能は、すでに撒き散らされてしまった。その恩恵に乗っかってきた自分たちの責任で。
もう二度と撒き散らさないことと、出てしまったものとは上手に付き合っていく方法をこそ、考えるべきなのではないか。。いま手元にある科学的知見の範囲で。

放射能だけ特別扱いすることはない、と思う。
わからないものに乗っかって突っ走っているこの構造自体に目を向けないで、放射能や誰かへの不信を叫ぶことには、きっと意味がない。

おっと。熱くなりました。
そんなわけで、千葉の農家は、売り先が半分になりました。
でも、半分も残ってくれた、という言い方をする人もいます。
農家ができるのは、数値を測り、情報開示し、判断基準を示し、あとは受け手に伝えること。

結局は、伝わるか伝わらないか、だと思った。

もし測った数値を見て、農家が「毒」だと判断したら、それは食べさせてはいけないし、作ってはいけない。そうなるとすでに「風評」ではないのだから。


2.適正な組織の大きさ

千葉の成田近辺には、20以上の有機農家組織があるそうです。いわゆる成田空港闘争で成田に入ってきた人たちと、共闘した農家の方々という、一筋縄ではいかなそうな面々が、それぞれの形で組織をくんでいる。
だから、なかなか連携できない。。
分かる気がします。

一方で、今回伺った生産者連合は、100軒もの農家を抱える元気な組織です。
でも生産者に話を伺っていると、周辺の数軒の農家で組んで、独自の販路を探したりしている。
もちろん競争が熾烈なこともあるんでしょうが、これってどういうことだろ。
もしかしたら、組織が大きくなりすぎて、受け手との距離が遠くなりすぎてしまったのではないか。
生産者同士でも顔が見えなくなり、「オラが組織」ではなくなってきてしまったのではないか。
だから、新たな取引先に「自分の」野菜が売れると、嬉しくなる。

ボクは今、伊賀有機農産と一体化している。
だから、伊賀有機農産の野菜が売れると嬉しいし、伊賀有機農産の販路を探す。
ボクらのやっていることは面白いと思うし、もっと広がってほしいと願う。
だから生産者も受け手も増えてほしい。
でも、それをずーっと続けていくと、どうなる??

きっと、顔を見れる限界があるのだろう。
伊賀有機農産が、活気ある組織であり続けるためには、「適正な大きさ」というのがある。
ならば、運動を広げていくには、同じような組織が各地にたくさんあればいいなあ、と思う。
それができるには、どうすればいいか。。。
もっと考えていきたいテーマです。
伊賀有機農業推進協議会、という試みも、そのひとつかもしれません。


3.堆肥を作るということ

堆肥

今回たずねたすべての有機農家が、自前で堆肥を作っていた。
ざっくり撒いてる人から、じっくり研究している人まで、それでもみな、畑に入れるものを自前で調達している。
有機農業の基本だなあ、と思った。
僕はいま、ボカシ肥料をつくるほかは、外から購入する資材に依存している。
それは、新規参入の新米農家にはある種必然で、大きな堆肥舎を持つには土地も金も必要だ。まわりの目もある。
千葉では昔からの土地持ち農家が、家のすぐ脇に広大な畑を持ち、後継者は売り先も機材もすべて引き継いでいる。スタート地点が全然ちがう。
とはいえ、やはり、有機農業の基本だよなあ、と思う。
そこに向けて、進んでいくことに、もうすこしチカラを入れようと思いました。



さいごに。
旅の最後に訪ねたのは、林重孝さん。

林農園


僕は存じ上げなかったのですが、かなりの有名人のようで、かの埼玉県小川町の金子さんに最初に弟子入りした方だとか。60品種もの種取りを実践されている、篤農家さんです。
風景を見ていると、ニワトリがいて、宅配する受け手がいて、なんか伊賀有機農産に近いなあ、と思っていました。
帰ってその話を親分のヤセガエルさんにしたところ、「しっとる!林やろ?あいつとは昔、真理子くんをめぐって。。。!?!?」
びっくり。世界はせまい。
もっと詳しく知りたい方は、ヤセガエルさんまでお尋ねください!

ぐぅ
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プロフィール

ぐぅ&トミー

Author:ぐぅ&トミー
38歳♂・31歳♀・7歳犬。
有機農家になりたくて、伊賀に流れ着きました。
生かされている生活から、活きる暮らしを目指して。
多くの人を巻き込みながら。地道に。夢は大きく。
日々の作業や、想いをつづります。

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